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8月
僕らの楽しい夏の思い出

「はぁ~~~っ」

高校生になって初めての夏休み。
ばあちゃん家で花火をする俺は盛大にため息をつく。
そう、原因はこいつら……

「スイカだ~っ!」
「奥義!花火二刀流!」
「おりゃおりゃ~!燃えろ~!」
「ワンワン!」

俺は花火を持って騒ぎ回る幼馴染たちに頭を抱える。
こいつらの辞書に協調性という言葉はないのか!?

昔っから、俺はこの3人に振り回されている。

「あーん!おいち~っ!!」

のんきにスイカをかじるコイツは『はな』。
おそらく世界で一番能天気でマイペースなやつだ。はなの思考回路は幼馴染の俺でも理解できない。
なぜ神様はこんな人間を生み出してしまったのか…。

「おい!お前が花火やるって言い出したんだろ!何スイカ食ってんだよ!」
「え~?そうだっけ? だってスイカが僕を食べて~って見てくるんだもん!」

それはお前が腹減ってるだけだろうが!
そう文句を言おうとした時、俺の顔の横をバチバチと音を立てて花火が横切る。

「秘技!炎色反応スパイラル!」
「うおおっ!危ねぇ!」

犯人はこのメガネ、樹。
同級生からは「平成のマッドサイエンティスト」と呼ばれている。
ただし別に科学者なわけではなく、科学者風を装っている頭のネジがぶっとんだオタクだ。

「見ろ、ストロンチウムとバリウムが燃えてるぞ!」
「知らねーよ!!」

お前ら自由すぎんだろ!やりたい放題しやがって!
こんな時、荒ぶった俺の気持ちを静めてくれるのは…

「ももちゃ~ん!」
「クゥン?」

可愛く首を傾げる、愛犬のももちゃん!俺はももちゃんのもふもふな桃尻を撫で回す。

「はーっ!かわいいなぁ……」
「グルルルル……ワンッ!!」
「お前だけが癒しだよ~」

しかしこの時。
ももちゃんに夢中だった俺は、幼馴染の中で一番の危険人物を忘れていた。

「シッシッシ……」

樹の妹、ルナ。
ルナの生きがいは俺に嫌がらせをすること__その存在に気付いた時には、もう遅かった。

「今だ!」

ルナが叫ぶ声にハッとする。

「くらえぇっ!デンジャラスボンバー!!」
「ぎぃやああああああああ!!!」

「はい、チーズ♪」

こうして俺の情けない瞬間は、はなによって写真に残されてしまうのだった。

今年も俺たちの夏が終わっていく。
来年はどんな馬鹿騒ぎに付き合わされるのやら。