2月
今日もいっぱい遊んだね
太陽が西の空へ帰るころ。空は綺麗なピンク色に染まり始めます。
そんな空の下、ふかふかの雪に小さな足跡をつけながら動物たちが集まってきました。
動物たちは小さなかまくらを見つめています。
その中で、2人の姉弟が眠っていました。
「すー…すー…」
ぐっすり眠る2人に、動物たちは興味しんしん。みんなが口々に言います。
「雪の中に誰かいるよ?」
「人間の子供たちだ」
「ここで何をしているんだろう?」
わいわいと思い思いに話す動物たち。
すると、一匹のリスが木の実をコンコンと叩きながら言いました。
「僕が朝、木の実を探しに来たときから遊んでいたよ。この雪のおうちはこの子たちが作ったんだ」
「そうなんだ!」
「じゃあこれも作ったのかな? とっても可愛い」
かまくらを囲むように、マフラーを巻いた雪だるまや、動物よりも小さな雪だるまが大小様々に並んでいます。
さらにその周りには、姉弟のソリにたくさんの雪玉、シャベルにバケツが転がっていました。
2人が朝から遊んで遊んで遊び回ったあとが、そこら中に広がっています。
そのうち疲れて、かまくらの中でいつのまにか眠ってしまったようです。
「楽しそうだなぁ。僕も一緒に遊びたいなあ」
「ねぇねぇ、起きて」
そう言ってオコジョが、お姉ちゃんを起こそうと髪飾りを揺らします。
すると、お姉ちゃんがゆっくりと目を開けました。
「う~、ん…。次は、ゆきがっせん…」
ぼんやりとそう呟いて、また眠ってしまいました。
どうやら、夢のなかでふたたび雪遊びを始めてしまったようです。
すやすや、気持ちよさそう。2人はしばらく起きそうにありません。
動物たちは顔を見合わせます。
「起きたら僕たちと遊んでくれるように、雪玉をたくさん作っておこう!」
動物たちは、せっせと雪玉を作り始めました。
もうすぐ空に昇る月のような、まんまるな雪玉を。